隠し子が発覚したら『氷の宝石商』の独占欲に火がつきました~5年越しの執念で見つけ出され、逃げ場のない溺愛で囲い込まれています~
 
「……バカに、しやがって」


 敦輝はこぶしを握り締め、全身をわななかせながら顔を上げた。


「どいつもこいつも俺をバカにしやがって! 兄貴が悪いんだ! 俺だって親父の息子なのに、少し遊んだ時期があるからって経営の前線から弾きだしやがった。それに昂輝、お前もだ!」


 顔中にしわを寄せ、目を血走らせながら唾を飛ばす。


「ちょっと頭が良いからって、何でもかんでも変革しやがって。お陰で中抜きしてた俺は大損だ! 同族経営なんだから、多少は多めに見るのが親戚ってもんだろう。年上に対する敬意を持て! いいか、お前みたいな小生意気な若造は、だまって年長者ののいう事を聞いてりゃいいんだ!」
 

 敦輝は、叫び終わると同時に昂輝の元へ突進する。


「キャー!」
「ひぁ……っ」


 取り囲んだ来客が、悲鳴を上げる。


 昂輝は落ち着いた様子で、重心を下げる。そのまま突っ込んできた叔父を受け止めると、その勢いを使い、投げ飛ばした。


 昂輝は上着を整えると、静かに片手を上げる。

 すると、集まった人だかりをかき分けるようにして、スーツ姿の男たちが数十人、一斉に踏み込んで来た。
 
 敦輝を、取り押さえる。


「警察の方々だ。強盗、誘拐未遂、強盗殺人未遂、脱税、違法取引……ああ、それからさっきの駐車場での待ち伏せと襲撃もあったな。それらの指示の証拠も、関係者のドライブレコーダーや通信履歴にしっかりと残っている」
「あ……こ、こうき……」


 敦輝が縋りつくように床から手を伸ばすが、昂輝はその腕を冷淡に払い除けた。


「話したいことがあれば、弁護士を通せ」
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