隠し子が発覚したら『氷の宝石商』の独占欲に火がつきました~5年越しの執念で見つけ出され、逃げ場のない溺愛で囲い込まれています~

 御堂の実家へと結婚の挨拶に赴いた時の緊張感も、今では懐かしい。

 名門の重圧に身を硬くしていた蒼乃を迎えたのは、呆気ないほどの厚遇だった。


 義父の浩輝は、自身の弟である敦輝の手によって蒼乃や輝、そして祖父、及川を危険な目に晒してしまったことを、何度も深く頭を下げて詫びた。

 本物のサファイアを後から搬入するという極秘事項を、それとは知らずに敦輝に漏らしてしまったのは自分だと、義父は随分と責任を感じていたようだった。


 確かに間一髪の事件ではあったが、結果として全員がこうして無事なのだ。

 家族を想い、良かれと思って情報を共有してしまった義父を責める気など、蒼乃には微塵も起きなかった。

 それから義父と義母は、御堂ジュエリーを倒産の危機から救ったサファイアを磨き上げたことに対し、涙を流して感謝してくれた。


 何より、二人の心を捉えて離さなかったのは輝の存在だ。

 昂輝と全く同じ、美しい灰色がかった瞳をした孫を見た瞬間、昂輝の母親は歓声を上げた。


「見て、あなた。あなたと昂輝と同じ色の目だわ。まあかわいらしい」
「昂輝の小さい頃にそっくりだな。おい母さん、アルバムがあったろう。見比べてみようじゃないか」


 引っ張り出されてきた古びたアルバムを開く。

 そこに写る小さな頃のパパの姿を見て、輝が笑い転げていた光景は、昨日のことのように思い出せる。
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