隠し子が発覚したら『氷の宝石商』の独占欲に火がつきました~5年越しの執念で見つけ出され、逃げ場のない溺愛で囲い込まれています~
第3話:崩れる
規則的な電子音が遠くから聞こえてきた。
白河蒼乃がゆっくりと瞼を持ち上げる。
ツンと鼻を突く消毒液の匂いがした。それから視界に飛び込んできたのは、ひび割れひとつない無機質な白い天井。
「気が付きましたか?」
傍らにいた看護師が、安堵したように顔を覗き込んできた。
意識がはっきりしてくるにつれ、身体を起き上がらせようとする蒼乃を、看護師は静止する。
「まだ駄目ですよ、無理しないで」
「でもあの……私、すぐに戻らないと」
腕に力を入れようとするが、力が入らない。
「駄目ですよ。道で倒れたんだから、もう少し休んでいってください。それから――」
看護師は一度言葉を切り、蒼乃の平坦なお腹に静かに視線を落とした。
「初期の段階ですから、本当に気をつけていただかないと」
「……え?」