隠し子が発覚したら『氷の宝石商』の独占欲に火がつきました~5年越しの執念で見つけ出され、逃げ場のない溺愛で囲い込まれています~


 それを見計らったように、声がかかる。
 先ほどの男性だった。


「少し、見ていただけますか?」


 丁寧な言い方に好感が湧く。蒼乃は、彼が磨いていた石を受け取った。


「アメジストですね。うん、いい色」
「サイドが難しくて」


「わかります。お手本を見せますので、同じようにしていただけますか?」


 アメジストと棒。それを松脂で繋げてある。

 持ち手である棒を真横に倒しながら、利き手ではない方の手で丁寧に石を抑えながら回転させた。

 石の真横に当たる部分が、綺麗に磨かれていく。

 男性が真剣な顔で見つめた。


「なるほど。しっかり横倒しにしても大丈夫なんですね」
「力も、もう少し入れても大丈夫ですよ。やって見ましょう」


 彼は飲み込みが早かった。器用なのだろう。

 蒼乃は、真剣な顔で石と向き合う彼の横顔を見つめ、笑った。









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