隠し子が発覚したら『氷の宝石商』の独占欲に火がつきました~5年越しの執念で見つけ出され、逃げ場のない溺愛で囲い込まれています~
唐突なその言葉に、蒼乃はあっけにとられる。
だが、陽介の眼差しはどこまでも真摯で、大人の男としての熱をはらんでいた。
「ずっと好きだったんだ、蒼乃のこと。高校生のころから。でも輝くんのことがあって……大変そうだから、せめて陰ながらサポートできればと思ってた。だけど……」
一度、言葉を区切る。陽介が握る手に、少しだけ力が込められる。
その指先から、彼の抑えてきた感情が溢れ出るようだった。
「今日、一緒に出かけてよくわかったよ。俺は、蒼乃のことが好きだし、輝くんのことも好きだ。輝くんの成長を見守りたいし、蒼乃が困っていたら支えたい。蒼乃と一緒に、輝くんを育てたい」
陽介の言葉は、温かい。
蒼乃の過去も現在もすべてを包み込もうとする、太陽のような献身と、確かな情熱が満ちていた。
驚きで固まる蒼乃を、陽介は見つめ続ける。
「さっきの男もさ、蒼乃が結婚すればきっとあきらめるよ。輝くんのことも、もし知られたとしても、新しい父親がいれば割って入ることはできないだろ」
握られた手が、熱い。
陽介の体温が、手から身体へと染みわたり、蒼乃の強張った心をゆっくりと溶かしていく。
彼は、ただ包み込むような眼差しで、穏やかに語りかけ続けた。
「急かすつもりはないよ。まぁ、あの男のことがあるから早い方がいいのかも知れないけど……でも蒼乃の気持ちが落ち着くまで、俺は待つ。それに、輝くんの気持ちも聞かなきゃいけないしね」
陽介は少しだけ眉を下げて優しく笑い、それからもう一度、熱を帯びた瞳を蒼乃に向けた。
「俺は蒼乃と結婚したい。だから、そういう道があるんだって、知っておいて」
真っ黒に染まりかけた蒼乃の世界が、いま一度、ほんのりと明るく、照らされようとしている。
蒼乃は身動きの取れないまま、陽介を見つめた。