隠し子が発覚したら『氷の宝石商』の独占欲に火がつきました~5年越しの執念で見つけ出され、逃げ場のない溺愛で囲い込まれています~
第2話:憂い
「お疲れさま、昂輝」
「蒼乃! 会いたかった」
玄関扉を開けると、昂輝が思い切り抱き着いてきた。
夏が来て、秋が来ても、二人の交際は順調だ。
東京と山梨。少々離れた場所に住んでいるが、行き来できない距離ではない。昂輝は週末になると、車で山梨へやってきて、蒼乃と過ごした。
夏休みには、蒼乃も東京へ行った。
水族館やテーマパークで遊んだのは、良い思い出だ。
「運転、疲れたでしょう。お風呂先にする?」
「うーん……少し、充電してから」
そう言いながら、昂輝はソファーの上で、蒼乃を抱きしめたまま動かない。
金曜の夜にやってくる昂輝は、いつも疲れていた。
東京では、石の買い付け、広告、店舗での販売、イベントへの出店と、忙しい日々を送っているらしい。
「ご飯は?」
「あとで」
蒼乃をすっぽりと抱え込むように背中から抱え込む。
もう。
そう文句を言ってはみるが、顔は笑っている。蒼乃にとっても、こうして彼とくっついてる時間は、至福なのだ。