冷徹御曹司との運命の再会 〜隠していた双子ごと愛されました〜
 その後のことは、ひどくぼんやりしていた。
 二人をなだめ、寝かしつけ、リビングでぼーっと座っていたら時間が過ぎていた。

(そろそろ二人を起こしておやつにしなきゃ……)

 重い頭を抱えて立ち上がり、寝室へと向かう。

「起きれるかなー? そろそろおやつにするよ……え?」

 いつものように扉を開けて、声をかける。しかし、そこに二人の姿はなかった。

「湊斗? 紬?」

 廊下で呼び掛けても返事がない。
 あわてて家中を探すが、彼らの姿はどこにもなかった。

「湊斗? 紬? どこなの!? 出ていらっしゃい?」

 ふと玄関を見ると二人の靴がない。全身の血が引いていった。
 あわてて外に出るが庭にも彼らはいない。

「湊斗ー! 紬ー!」

 大声で呼んでも答える声はなかった。

(どうしよう。警察?)

 震える手でスマホを取り出す。指が震えてうまく操作ができない。
 誤って電話帳を開くと、履歴の一番上に篤史の名前があった。

(篤史さん……)

 思わず通話ボタンをタップした。すると数コールも待たずして彼の声が聞こえてきた。

「千恵? どうし……」
「子供達がいなくなってしまったの!」
「え? なんだって!?」

 震える声で状況を説明する。篤史は最初こそ驚いていたが、すぐに冷静さを取り戻していた。

「落ち着いて。深呼吸をして……そう、いいよ」

 彼の低い落ち着いた声に合わせて息を吐くと、震えがいくぶんかマシになった。

「実は俺は今、まだひだまりの近くにいるんだ。今からそっちに向かうから、一緒に探そう。その間、千恵は警察に連絡を……」

 篤史の言葉が急に止まる。千恵が「篤史さん?」と呼び掛けると、電話の向こうから彼が走り出す音が聞こえた。

「いた! あの後ろ姿、多分あの二人だっ……!」

 素早い足音と布の擦れる音。「湊斗! 紬!」という声が電話越しに小さく聞こえる。
 しばらくすると、息を切らした篤史の声が聞こえてきた。

「はぁっ、……見つけたよ。いつもの公園から少し離れたところ。今から一緒に帰るから。ほら、ママに声を聞かせてあげて」
「ママ! あのね、あつしさんいたよ」
「つむたちがみつけたよ! だから、もうだいじょうぶよ」

 二人の元気な声が流れてきて、千恵は思わずその場に座り込んだ。膝に砂がつき、じんわりと湿ったが気にならなかった。

「良かった……」

 ドキドキと大きな音を立てる心音とともに涙が溢れてくる。二人が見つかった安堵でいっぱいだった。


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