冷徹御曹司との運命の再会 〜隠していた双子ごと愛されました〜
篤史の実家で一時間ほど過ごした後、四人はそのままルティナに乗って篤史と千恵の思い出の場所をドライブした。仕事終わりに散歩した小道やナイトショーを観た映画館。通りすぎる度に当時がよみがえる。
(あの頃は、篤史さんにずっと緊張していた気がする。大好きだけれど彼は遠い人で『自分なんかとわざわざ付き合ってくれる奇特な人』だって無意識に自分を卑下していたんだわ)
だから壮一郎や秘書の言葉に従ってしまったのだろう。
(もう間違えない。絶対に)
千恵が後部座席と見ると、遊び疲れた子供達はうとうとしている。
そんな顔でさえ愛おしい。この子達のためにも、家族皆を離さないと誓うのだった。
しばらくすると、千恵が一番来たかった場所に車が停まった。千恵がかつて働いていた小料理屋まごころだ。
「ここ……」
「俺から連絡しておいた。中で待ってるはずだ」
その言葉を聞いて、千恵は車を飛び出した。
懐かしい扉をガラリと開けると、そこには着物姿の女性が座っていた。
「明美さんっ!」
千恵が声をかけると女性がゆっくりと振り替える。こちらを向いた明美はすでに涙目だった。
「千恵ちゃん、元気そうで……。ようやく会えたわね。メールとお手紙だけじゃ足りなかったわ」
「明美さんも。本当に会いたかったです」
力強く抱き締め合い、互いを確かめ合う。
すると扉が再び開かれた。篤史が湊斗と紬を引き連れていた。
「お久しぶりです」
「本当よ! 千恵ちゃんと再会したならすぐ言いなさいよね。私はてっきり……」
言葉を詰まらせる明美に千恵は泣き笑いながら「ごめんなさい」と告げた。
「私もメールでは言い出せなくて。どう説明して良いのか難しくて。実は仁美さんにもようやく話せたくらいで」
「千恵ちゃんは良いのよ。……あら? もしかして、その子達が湊斗くんと紬ちゃん?」
篤史の後ろに隠れて様子を伺っていた子供達を見て、明美はにっこりと微笑んだ。
「こんにちは。私は明美。ママのお友達よ」
明美がしゃがんで子供達の目線に合わせると、湊斗も紬も自ら明美に近づいた。
「こんにちは。ぼくは湊斗です」
「紬です。あの、ママのおともだちってほんと?」
「そうよー。ここで一緒にお料理していたんだから!」
明美が自慢げに言うと、子供達は目を丸くしていた。
「ほんと? あのね、ママのおりょうりとってもおいしいんだよ!」
「ママのりょうりだいすきー!」
二人があまりに褒めるものだから、千恵は二人の頭を撫でて「あのね」と耳打ちした。
「明美さんは、ママのお料理の先生でもあるのよ。ママはぜーんぶ明美さんに教わったの」
「えー! あけみさん、すごい!」
「ママのせんせいなんだ! おりょうりたべてみたーい」
「あらー嬉しいこと言ってくれるのね。じゃあ何か作ってあげる。千恵ちゃんも手伝ってくれる?」
「はいっ!」
千恵は数年振りにまごころのキッチンへと足を踏み入れた。懐かしさが込み上げてきて目頭が熱くなる。
明美は千恵に指示を出しながら、あっという間にハンバーグを作り上げた。
「はい、どうぞ。まごころ特製のハンバーグよ」
子供達は目を輝かせて歓声を上げた。二人は「いただきます」という声とともに大きな口を開けてハンバーグを頬張った。
「おいしー!」
「ママのあじみたい!」
「そうでしょー? 仲良しだからおんなじ味なのよ!」
明美は心底嬉しそうに目を細めていた。
帰る時、明美は湊斗と紬を抱き締め、千恵のこともずっと離さないでいた。
「今日は来てくれてありがとう。今度は私が会いに行くわ!」
「お待ちしてますね」
明美は見えなくなるまで店の前で手を振ってくれていた。
(あの頃は、篤史さんにずっと緊張していた気がする。大好きだけれど彼は遠い人で『自分なんかとわざわざ付き合ってくれる奇特な人』だって無意識に自分を卑下していたんだわ)
だから壮一郎や秘書の言葉に従ってしまったのだろう。
(もう間違えない。絶対に)
千恵が後部座席と見ると、遊び疲れた子供達はうとうとしている。
そんな顔でさえ愛おしい。この子達のためにも、家族皆を離さないと誓うのだった。
しばらくすると、千恵が一番来たかった場所に車が停まった。千恵がかつて働いていた小料理屋まごころだ。
「ここ……」
「俺から連絡しておいた。中で待ってるはずだ」
その言葉を聞いて、千恵は車を飛び出した。
懐かしい扉をガラリと開けると、そこには着物姿の女性が座っていた。
「明美さんっ!」
千恵が声をかけると女性がゆっくりと振り替える。こちらを向いた明美はすでに涙目だった。
「千恵ちゃん、元気そうで……。ようやく会えたわね。メールとお手紙だけじゃ足りなかったわ」
「明美さんも。本当に会いたかったです」
力強く抱き締め合い、互いを確かめ合う。
すると扉が再び開かれた。篤史が湊斗と紬を引き連れていた。
「お久しぶりです」
「本当よ! 千恵ちゃんと再会したならすぐ言いなさいよね。私はてっきり……」
言葉を詰まらせる明美に千恵は泣き笑いながら「ごめんなさい」と告げた。
「私もメールでは言い出せなくて。どう説明して良いのか難しくて。実は仁美さんにもようやく話せたくらいで」
「千恵ちゃんは良いのよ。……あら? もしかして、その子達が湊斗くんと紬ちゃん?」
篤史の後ろに隠れて様子を伺っていた子供達を見て、明美はにっこりと微笑んだ。
「こんにちは。私は明美。ママのお友達よ」
明美がしゃがんで子供達の目線に合わせると、湊斗も紬も自ら明美に近づいた。
「こんにちは。ぼくは湊斗です」
「紬です。あの、ママのおともだちってほんと?」
「そうよー。ここで一緒にお料理していたんだから!」
明美が自慢げに言うと、子供達は目を丸くしていた。
「ほんと? あのね、ママのおりょうりとってもおいしいんだよ!」
「ママのりょうりだいすきー!」
二人があまりに褒めるものだから、千恵は二人の頭を撫でて「あのね」と耳打ちした。
「明美さんは、ママのお料理の先生でもあるのよ。ママはぜーんぶ明美さんに教わったの」
「えー! あけみさん、すごい!」
「ママのせんせいなんだ! おりょうりたべてみたーい」
「あらー嬉しいこと言ってくれるのね。じゃあ何か作ってあげる。千恵ちゃんも手伝ってくれる?」
「はいっ!」
千恵は数年振りにまごころのキッチンへと足を踏み入れた。懐かしさが込み上げてきて目頭が熱くなる。
明美は千恵に指示を出しながら、あっという間にハンバーグを作り上げた。
「はい、どうぞ。まごころ特製のハンバーグよ」
子供達は目を輝かせて歓声を上げた。二人は「いただきます」という声とともに大きな口を開けてハンバーグを頬張った。
「おいしー!」
「ママのあじみたい!」
「そうでしょー? 仲良しだからおんなじ味なのよ!」
明美は心底嬉しそうに目を細めていた。
帰る時、明美は湊斗と紬を抱き締め、千恵のこともずっと離さないでいた。
「今日は来てくれてありがとう。今度は私が会いに行くわ!」
「お待ちしてますね」
明美は見えなくなるまで店の前で手を振ってくれていた。