冷徹御曹司との運命の再会 〜隠していた双子ごと愛されました〜
「篤史さん、今日は東京に連れてきてくれてありがとうございます。本当に良かった」
「俺も、少し気が晴れたよ。また一緒に来てくれるか?」
「もちろんです!」
「良かった。……それと、そろそろ話し方を変えてくれないか?」
突然の提案に千恵は何のことかと首をかしげる。
「敬語。俺達、夫婦なんだけど」
「それは、そうですけど……」
言われてみればそうなのだが、突然過ぎて変えようにも難しい。
(急にそんなことを言われても、篤史さんにはずっと敬語だったし)
「も、もう少し慣れてからでは……」
弱気な提案に、彼は少しだけ寂しそうに眉を下げた。
「距離を感じてしまうのは俺だけか? 今日でまた距離が縮んだと思っていたんだが」
「それはっ、もちろんそうで……そうだけど」
千恵が言い直すと篤史は声を出して笑った。
「よし、じゃあそれで」
「そんなっ」
「話していればそのうち慣れる。ほら、この通り覚えてるか?」
「え? あぁ……ドライブをしたことがあり、あったね。懐かしいなあ」
後部座席で眠ってしまった子供達の寝息を聞きながら、篤史と千恵は昔話に花を咲かせた。
これまで二人がなんとなく避けていた話題。今は懐かしい話として笑い合えるのが堪らなく幸せだった。
数ヶ月後。まだ子供達が寝静まっている早朝に、千恵は篤史に朝食を出していた。
「今日から向こうに泊まりだったよね?」
「あぁ。三日後には一旦帰ってきてしばらくはこっちから通うよ。ハウスメーカーの見学を予約しておいてくれるか?」
「わかったわ。パンフレットからも良いところピックアップしておく」
篤史は軽井沢と東京を行き来しながら仕事をしている。単身赴任みたいなものだが、それよりも頻繁に帰ってきてくれるのはありがたい。
ただ、四人で暮らしながらゲストハウスを営むのは、将来的には難しい。
だからゲストハウスの横に新居を建て、行き来出来るように計画中なのだ。仁美もこのゲストハウス拡張計画には大賛成してくれたため、千恵達主導でハウスメーカー選定から行っている。
(将来子供達の一人部屋もほしいものね)
「じゃあそろそろ出るよ」
「もうそんな時間? いってらっしゃい」
玄関まで見送り、微笑んで手を振ると、篤史は千恵の頬にそっとキスをした。
「子供達がいないから今だけ独り占め」
「ふふっ。気をつけてね」
千恵は篤史の腕を引っ張って屈ませると、お返しに彼の頬に唇を落とす。彼の横顔が嬉しそうに微笑んでいる。
「いってきます」
篤史が行ってしまうと、お客様や子供達を起こさないように朝食の準備を始める。
(ついでに軽食と夕食と下ごしらえもしとこう)
午後にはお客様が一組来る。今日のお客様が出発したら掃除や布団の取り替えが待っている。新居の準備や子供との時間を作るため、出来ることを朝のうちに済ませておくルーチーンが出来上がっていた。
「さて、湊斗と紬をそろそろ起こさないと!」
バタバタと準備をしながら寝室に向かう。むにゃむにゃと幸せそうにまどろんでいる二人に声をかけると、へにゃりと笑いながら起きてきた。
「保育園の準備してー」
「はーい。えへへ」
「ふふふ」
二人は起きたばかりだというのに嬉しそうだ。
「なあに? 楽しそうね」
「あのね、パパもうでかけたでしょ?」
「パパのカバンにあたしたちがつくったおまもりをいれたのよー。きづいてくれるかな?」
「はっぱのおまもり、かれちゃったから、あたらしいのつくったんだー」
二人は顔を見合わせて笑い合うと、千恵に「パパにはないしょ!」と釘を刺した。
「わかった。でもきっと気づいて喜んでくれると思うな」
「そうでしょー」
「とうぜんよ!」
ご機嫌な子供達は自分から保育園の準備をしてくれる。朝ご飯もきっちり食べてバスを待つ。
「いってらっしゃい。楽しんでね」
すると二人は千恵の両頬にちゅっと口をつけた。
「あら、嬉しい」
「パパのまねっこ!」
「パパよりあたしたちのほうがママのことすきよ!」
二人はそう言い残して元気よくバスへと乗り込んだ。
(まったく、誰に似たんだか)
千恵は頬を押さえて楽しそうに微笑んだ。
「俺も、少し気が晴れたよ。また一緒に来てくれるか?」
「もちろんです!」
「良かった。……それと、そろそろ話し方を変えてくれないか?」
突然の提案に千恵は何のことかと首をかしげる。
「敬語。俺達、夫婦なんだけど」
「それは、そうですけど……」
言われてみればそうなのだが、突然過ぎて変えようにも難しい。
(急にそんなことを言われても、篤史さんにはずっと敬語だったし)
「も、もう少し慣れてからでは……」
弱気な提案に、彼は少しだけ寂しそうに眉を下げた。
「距離を感じてしまうのは俺だけか? 今日でまた距離が縮んだと思っていたんだが」
「それはっ、もちろんそうで……そうだけど」
千恵が言い直すと篤史は声を出して笑った。
「よし、じゃあそれで」
「そんなっ」
「話していればそのうち慣れる。ほら、この通り覚えてるか?」
「え? あぁ……ドライブをしたことがあり、あったね。懐かしいなあ」
後部座席で眠ってしまった子供達の寝息を聞きながら、篤史と千恵は昔話に花を咲かせた。
これまで二人がなんとなく避けていた話題。今は懐かしい話として笑い合えるのが堪らなく幸せだった。
数ヶ月後。まだ子供達が寝静まっている早朝に、千恵は篤史に朝食を出していた。
「今日から向こうに泊まりだったよね?」
「あぁ。三日後には一旦帰ってきてしばらくはこっちから通うよ。ハウスメーカーの見学を予約しておいてくれるか?」
「わかったわ。パンフレットからも良いところピックアップしておく」
篤史は軽井沢と東京を行き来しながら仕事をしている。単身赴任みたいなものだが、それよりも頻繁に帰ってきてくれるのはありがたい。
ただ、四人で暮らしながらゲストハウスを営むのは、将来的には難しい。
だからゲストハウスの横に新居を建て、行き来出来るように計画中なのだ。仁美もこのゲストハウス拡張計画には大賛成してくれたため、千恵達主導でハウスメーカー選定から行っている。
(将来子供達の一人部屋もほしいものね)
「じゃあそろそろ出るよ」
「もうそんな時間? いってらっしゃい」
玄関まで見送り、微笑んで手を振ると、篤史は千恵の頬にそっとキスをした。
「子供達がいないから今だけ独り占め」
「ふふっ。気をつけてね」
千恵は篤史の腕を引っ張って屈ませると、お返しに彼の頬に唇を落とす。彼の横顔が嬉しそうに微笑んでいる。
「いってきます」
篤史が行ってしまうと、お客様や子供達を起こさないように朝食の準備を始める。
(ついでに軽食と夕食と下ごしらえもしとこう)
午後にはお客様が一組来る。今日のお客様が出発したら掃除や布団の取り替えが待っている。新居の準備や子供との時間を作るため、出来ることを朝のうちに済ませておくルーチーンが出来上がっていた。
「さて、湊斗と紬をそろそろ起こさないと!」
バタバタと準備をしながら寝室に向かう。むにゃむにゃと幸せそうにまどろんでいる二人に声をかけると、へにゃりと笑いながら起きてきた。
「保育園の準備してー」
「はーい。えへへ」
「ふふふ」
二人は起きたばかりだというのに嬉しそうだ。
「なあに? 楽しそうね」
「あのね、パパもうでかけたでしょ?」
「パパのカバンにあたしたちがつくったおまもりをいれたのよー。きづいてくれるかな?」
「はっぱのおまもり、かれちゃったから、あたらしいのつくったんだー」
二人は顔を見合わせて笑い合うと、千恵に「パパにはないしょ!」と釘を刺した。
「わかった。でもきっと気づいて喜んでくれると思うな」
「そうでしょー」
「とうぜんよ!」
ご機嫌な子供達は自分から保育園の準備をしてくれる。朝ご飯もきっちり食べてバスを待つ。
「いってらっしゃい。楽しんでね」
すると二人は千恵の両頬にちゅっと口をつけた。
「あら、嬉しい」
「パパのまねっこ!」
「パパよりあたしたちのほうがママのことすきよ!」
二人はそう言い残して元気よくバスへと乗り込んだ。
(まったく、誰に似たんだか)
千恵は頬を押さえて楽しそうに微笑んだ。