一夜のあと、君に溺れる
千里ちゃんと大ちゃんと帰りの方面が一緒だったので、なし崩し的に電車に乗り込んだ。電車は割りと混んでいて、ぎゅうぎゅうではないけれど座る場所はない。私たちは出入口の横に立って、今日の結婚式の思い出話に花を咲かせていた。
「次は絶対心和ちゃんが結婚だよね」
「間違いない。私たちのまわり、結婚ラッシュですよね」
「桜子さんと千里さんも続きます?」
「大ちゃん~、私たちお一人様なのよ~」
「あ、そうなんですか。すみません」
「大ちゃんこそどうなの?」
「あ~、俺は半年前くらいにフラれてお一人様ですね」
ははっと何でもないように笑う大ちゃんだったけれど、ほんの少しだけ寂しそうな表情をする。やっぱり私たちの年齢って、まわりがどんどん結婚していくから、焦る気持ちと、まだお一人様な人がいることにちょっぴり安心したりして。
「桜子さんってモテそうですよね」
「これが全然モテないの。大ちゃん、どうしたら彼氏できると思う? お見合いも上手くいかなくて」
「いやー、桜子さんみたいに可愛い人は、男は黙ってないでしょ。それか、高嶺の花って思われてるとか?」
「不満だわ。高嶺でもなんでもないのに」
「大ちゃん、桜子さんに庶民の遊びを教えてやってよ」
「庶民の遊び? メンコとかこま回し?」
「古っ! 考え方が杏子さんそっくりでウケる」
千里ちゃんがゲラゲラと笑い転げ、大ちゃんは「だって庶民とか言うから」と言い訳をしている。
というのも、私が神木坂総合病院の理事長の娘だから、まわりからお嬢様だと見られがちなのだ。特段、父は世間体を気にするタイプなので見栄を張って高級志向だし、そのおかげで何不自由なく暮らしてこられたのは事実だけれど。
でも逆にそのせいで、私がお嬢様だと勘違いされている。さらに、桜子という名前も、「桜子ちゃん」なんて呼んでくれるのはごく僅かで、仲のいい千里ちゃんたちだって「桜子さん」って呼ぶんだから。
「次は絶対心和ちゃんが結婚だよね」
「間違いない。私たちのまわり、結婚ラッシュですよね」
「桜子さんと千里さんも続きます?」
「大ちゃん~、私たちお一人様なのよ~」
「あ、そうなんですか。すみません」
「大ちゃんこそどうなの?」
「あ~、俺は半年前くらいにフラれてお一人様ですね」
ははっと何でもないように笑う大ちゃんだったけれど、ほんの少しだけ寂しそうな表情をする。やっぱり私たちの年齢って、まわりがどんどん結婚していくから、焦る気持ちと、まだお一人様な人がいることにちょっぴり安心したりして。
「桜子さんってモテそうですよね」
「これが全然モテないの。大ちゃん、どうしたら彼氏できると思う? お見合いも上手くいかなくて」
「いやー、桜子さんみたいに可愛い人は、男は黙ってないでしょ。それか、高嶺の花って思われてるとか?」
「不満だわ。高嶺でもなんでもないのに」
「大ちゃん、桜子さんに庶民の遊びを教えてやってよ」
「庶民の遊び? メンコとかこま回し?」
「古っ! 考え方が杏子さんそっくりでウケる」
千里ちゃんがゲラゲラと笑い転げ、大ちゃんは「だって庶民とか言うから」と言い訳をしている。
というのも、私が神木坂総合病院の理事長の娘だから、まわりからお嬢様だと見られがちなのだ。特段、父は世間体を気にするタイプなので見栄を張って高級志向だし、そのおかげで何不自由なく暮らしてこられたのは事実だけれど。
でも逆にそのせいで、私がお嬢様だと勘違いされている。さらに、桜子という名前も、「桜子ちゃん」なんて呼んでくれるのはごく僅かで、仲のいい千里ちゃんたちだって「桜子さん」って呼ぶんだから。