一夜のあと、君に溺れる
「お祖母様、ありがとうございます。占星術だなんてとても興味深いです。それに、大ちゃんとおそろいのストラップ嬉しい」

ニコッと笑うと、大ちゃんはきょとんとしたあとクシャっと笑った。

「ははっ、確かにね。どこに着けようか」

そういえば、お揃いって初めてかも。なんだろう、急にドキドキわくわくしてテンションが上がってきた。

「桜子ちゃん、これは悪意を跳ね返す御守りだ。もし身の危険を感じたら、念じなさい」

「わかりました。ありがとうございます」

「もー、ばあちゃん、怖がらせるようなこと言わないでくれよ」

「何を言ってるんだ。用心することに越したことはないよ。それに、いざというときは大ちゃんが桜子ちゃんを守るんだよ」

「それはそうだけど……。さーちゃん、安心して。絶対に俺が守るから」

「いざとなったら、出刃包丁でもなんでも持っていきなさい」

「母さん、物騒だな」

「ふふっ、大ちゃんのご家族って面白いわよね」

クスクス笑うと、大ちゃんはまた困った顔をしていた。

面白くて温かくて、理想の家族に見える。羨ましいなと思うのは、自分の家族があまり好きじゃないからだろうか。リビングで家族顔を突き合わせて笑い合うことなんて、もう何年もしていない気がする。

それが冷たいだとか嫌だとかは思っていなくて、もう当たり前の日常になっているから何とも思わないけれど、いざこんな風に温かい家庭に触れてしまうと、思い出したかのように比較してしまうのだ。

「私も宮越家に生まれたかったな」

「俺と結婚したら、宮越家になれますよ」

「ふふっ、本当だ」

くすっと笑うと、大ちゃんは残念そうにうーんと眉間にしわを寄せた。

「?」

「今のはプロポーズだったんですけど」

「えっ? プロポ……えっっ!!」

うそ、やだ、私ったら肝心なところで返事を間違えるだなんて。どうしようかと両頬を押さえながらオロオロしていると、お母様にぽんと背中を撫でられる。

「いや、これは大ちゃんが悪いわ」

「わかりづらいからやり直し」

ご家族から散々責められ、ますます眉間のしわが深くなる大ちゃん。パッと目が合うと、「……後で……二人っきりの時にもう一度言います」とバツが悪そうな顔をした。

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