一夜のあと、君に溺れる
だが高崎はそれさえも踏みにじるように、ふんと鼻で笑う。
「ずいぶん立派だね。だけど、世の中は綺麗事だけじゃ回らない。僕はね、君みたいな真っ直ぐな人間が一番嫌いなんだ。正義のヒーローにでもなったつもりかい? どう考えても、彼女に相応しいのは俺だろ? 君に神木坂の理事長が務まるのか? 君は実花とよろしくやっていればいいと思うけどな」
高崎から実花の名前が出たことで、ハッとなる。
なぜ高崎は実花を知っている?
どういう繋がりがある?
どこで、どうやって――?
頭の中に散らばっていた点と点がゆっくりと線を描き始める。それはやがて絡まり、重なり、不穏な形を成していく。空気が冷えていくのを感じた。
「……まさか、実花と共犯なのか?」
「共犯だなんて人聞きの悪い。たまたま利害が一致しただけじゃないか。俺は桜子を手に入れたい、実花は君と復縁したい。丸く収まるだろう?」
「……それで、桜子の気持ちは無視か? 彼女はお前の所有物じゃない」
「気持ち? そんなものは時間が経てば変わる。俺が隣にいれば、いずれ俺を選ぶさ。人は煽てに弱い。君だってそうだろう? 実花にすがられた時、少しでも心が揺れたんじゃないか?」
「揺れるわけないだろ」
「そうか。だが君の正義なんて、所詮は自己満足だよ。俺は欲しいものを手に入れる。手段なんてどうでもいいからね」
高崎はねっとりと口の端を歪めて笑うと、「君にいいものを見せてやろう」とゆっくりとポケットに手を伸ばし、スマホを取り出した。そして、慣れた手つきで指先が画面をなぞり、1枚の画像が表示される。
そこに写っていたのは、薄暗い部屋――ベッドの上だろうか、服がはだけて乱れた姿の実花。どう見ても、男女の関係を示すものだ。ゾワリと背筋が冷えていく。
「ずいぶん立派だね。だけど、世の中は綺麗事だけじゃ回らない。僕はね、君みたいな真っ直ぐな人間が一番嫌いなんだ。正義のヒーローにでもなったつもりかい? どう考えても、彼女に相応しいのは俺だろ? 君に神木坂の理事長が務まるのか? 君は実花とよろしくやっていればいいと思うけどな」
高崎から実花の名前が出たことで、ハッとなる。
なぜ高崎は実花を知っている?
どういう繋がりがある?
どこで、どうやって――?
頭の中に散らばっていた点と点がゆっくりと線を描き始める。それはやがて絡まり、重なり、不穏な形を成していく。空気が冷えていくのを感じた。
「……まさか、実花と共犯なのか?」
「共犯だなんて人聞きの悪い。たまたま利害が一致しただけじゃないか。俺は桜子を手に入れたい、実花は君と復縁したい。丸く収まるだろう?」
「……それで、桜子の気持ちは無視か? 彼女はお前の所有物じゃない」
「気持ち? そんなものは時間が経てば変わる。俺が隣にいれば、いずれ俺を選ぶさ。人は煽てに弱い。君だってそうだろう? 実花にすがられた時、少しでも心が揺れたんじゃないか?」
「揺れるわけないだろ」
「そうか。だが君の正義なんて、所詮は自己満足だよ。俺は欲しいものを手に入れる。手段なんてどうでもいいからね」
高崎はねっとりと口の端を歪めて笑うと、「君にいいものを見せてやろう」とゆっくりとポケットに手を伸ばし、スマホを取り出した。そして、慣れた手つきで指先が画面をなぞり、1枚の画像が表示される。
そこに写っていたのは、薄暗い部屋――ベッドの上だろうか、服がはだけて乱れた姿の実花。どう見ても、男女の関係を示すものだ。ゾワリと背筋が冷えていく。