一夜のあと、君に溺れる
改めて思う。私は大ちゃんのことが好き。いっぱい好き。もっともっと満たされたい。体中を、大ちゃんでいっぱいにしたい。

「大ちゃん」

「うん?」

振り向いてくれた大ちゃんの首に、手を回す。ぐっと引き寄せて、自分からキスをした。

「さ、さーちゃん?!」

急に照れ出す大ちゃんは、見たこともないような慌てっぷりで、顔を真っ赤にさせた。普段、余裕そうな顔をしているくせに、意外だ。でも、そんな姿さえもまた、愛おしいだなんて思ってしまう。

「好きだから、いいでしょ?」

「いいに決まってるけど」

「けど?」

「けど……もっと、さーちゃんから言ってほしい」

「え? 何を?」

「好きって、何回でも聞きたい」

今度は私の頬が真っ赤になる。
よく考えたら、道端で、大胆な行動だったかも。

でも、言いたくなっちゃうのよね。
以前、杏子さんが言っていたもの。

『だって、好きって気持ちが溢れたら、勝手に好きって言葉が出ちゃうから』

今ならわかるな、この気持ち。溢れんばかりの気持ちを対処するには、言葉にして伝えたいって思ってしまうもの。

自分がこんな風に男性を好きになるなんて、思いもよらなかった。どれもこれも、大ちゃんに感謝だ。

大ちゃんの手をぎゅっと握る。
その瞳をまっすぐ見つめる。
まるでテレパシーを送るかのように、伝われ、私の気持ち。

「好き。大ちゃんのこと、大好き」

その瞬間、大ちゃんは嬉しそうに顔をくしゃっと綻ばせて、ぎゅっと抱きしめてくれた。

夜の闇に小さく星が瞬く。そのどれよりも輝いている私の一番星が、大ちゃんだ。

なんて幸せなんだろう。大ちゃんの腕の中は、あたたかくて優しくて、まるで世界のすべてがそこにあるみたい。大好きが胸いっぱいに広がって、心までもが蕩けてしまいそうだった。
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