愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
そこで言葉を切った彼が、じりじりと顔を近づけてくる。息のかかる距離に知隼さんがいるというだけで鼓動が速くなり、自分の体じゃないみたいに制御できなくなる。
私が思わずギュッと目を閉じると、彼の高い鼻が頬をかすめ、今にも唇同士が触れそうになる。その距離のまま、彼が小さく息を吸う。
「妻がなにも知らないなら教えてやりたいし、かわいくてたまらないと思うだろう。もちろん思うだけじゃなく、愛情表現として口づけもする。……で、お前はどうしたい?」
囁きととももに、暖かい吐息が耳にかかる。甘すぎるセリフに、もはやキスされる前から胸がかき乱されてしまう。
困ったように彼の目を見ると、知隼さんは逃げ道を与えるように言った。
「無理やり唇を奪うような真似はしない。もしも嫌なら、ふたりでゆっくりコーヒーを飲めばいい。でも、お前が望むなら……存分にかわいがってやる」
彼の親指が、私の唇を軽く押しながその形をなぞる。
コーヒーを飲む時にカップを押し付けるのと同じ場所なのに、触れているのが彼の指先だと、どうしてこんなにもどかしい気持ちになるんだろう。
初めて感じる切なさで胸が痛くなる。
「私は……」
頭では理解できなくても、私の本能が訴えかけてくる気がした。
この息苦しさを解放したいのなら、目の前にいる彼を信じて心を預けなさいと。
心臓が早鐘を打ち続けるせいで自分の体が震えているような感覚さえする中、私は意を決して彼を見つめた。