愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
「近づきたいです。……本物に」
小声でそっと伝えると、彼の手が私の後頭部に添えられ、もう一方の手が緊張でこわばる頬をそっと撫でる。
甘やかすようなその仕草に胸は高鳴り、深く視線が絡んだ。
「……綺美」
目を細めた彼が大切そうに私の名を呼んだ直後、お互いの唇が重なった。
キスの経験すらまったくなかった私にとって、その感触は想像していたよりもずっと甘くてやわらかかった。
一度離れてはまた角度を変えて唇を塞がれる、その動作を繰り返されるうち、戸惑いながらも彼とのキスに夢中になっていく。
「ちゃんと息継ぎをしろ。……気を失うぞ」
ふっと笑った彼の息が顔に当たる。
キスが下手だと言われたようで恥ずかしくなるが、なにか言い返そうにも次のキスに言葉を奪われて、私の口から押し出されるのは荒い吐息だけになってしまう。
知隼さんはキスをしながら頬に添えていた手をゆっくり下に移動させ、ソファの上で私の手を握る。
深く指を絡められる感触が恥ずかしくて、私はゆるく握り返すことしかできなかった。
やがて、もどかしいような余韻を残したまま、彼がキスを止める。何度も吸われた唇は上下ともに、火傷を負ったかのようにジンジンとしていた。
それを知ってか知らずか、彼はもう一度だけいたわるようなキスを唇に落とし、私の頭を自分の胸に引き寄せて抱く。