愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
「わかりました。でも、本当におめでとうございます。憧れのパイロットである深澄さんと憧れの先輩CAである七里さんが夫婦になっただなんて興奮しちゃいますし、自分のことのようにうれしいです」
すぐにお祝いの言葉を口にしてくれたのは、後輩の方だ。目をキラキラさせているので、きっと正直な気持ちなのだろう。なんだか照れてしまう。
「ありがとう。仕事中は旧姓を使うし、結婚したからって働き方を変えるつもりもないけど、これからもよろしくね」
「はいっ。……あ、それじゃ私、先にオフィスの方に行ってますね」
腕時計を確認した後輩が、慌てた様子で更衣室を出て行く。彼女がいなくなった途端、先輩がこれ見よがしにため息をついた。
「七里さんって合コンに誘っても来ないし、なーんかお高く止まってると思っていたけど、ようやく納得したわ。深澄さんとお付き合いしてたなら、出会いなんか必要ないものね。がつがつ男漁りする私たちのこと、陰で笑っていたんでしょう?」
先輩の嫌味っぽい口調に、更衣室の空気が凍りつく。
こんなことになるなら、一度くらい合コンに付き合っておくべきだっただろうか。
「いえ。別に私は……」
「深澄さんがみんなの憧れだって知りながら陰でコソコソと付き合って、優越感にでも浸ってた? 悪いけど、そんな根性の悪い女が相手だと知って、私は祝福する気にはなれないわ。深澄さんにもがっかりした」
先輩は最後にフン、と鼻を鳴らし、私のそばを離れていく。