愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中

「でもさ、綺美……たとえ先輩の方になにか抱えきれないものがあったとしても」
「ん?」

 お互いに着替えを終え、更衣室を一緒に出たところで梨沙子が言う。

「ひどいことを言われたら、怒った方がいいよ。そうじゃなきゃあの先輩、自分の言葉で綺美が傷ついたってこと、一生気づかないままじゃない」

 そう話す梨沙子は、私よりよほど傷ついた顔をしていた。私にとっては、友達にそんな顔をさせてしまったことの方がなんだか申し訳ない。

「ありがとう。たぶん私って、他人に期待することがほとんどないんだと思う。先輩が自分の失言を後悔しようがしまいが、どっちでもいいやって感じなんだ。だから、梨沙子も気にしないで。私は本当に大丈夫だから」

 彼女の肩にポンと手を置くと、梨沙子も渋々といった感じで頷く。

「わかった。……なんかゴメンね、ムキになって」
「ううん。怒ってくれてうれしかった。人間関係が希薄な私でも付き合ってくれる友達、梨沙子くらいだし。さて、明日も仕事だし早く帰ろう」

 明るい空気を取り戻した私たちは、空港を出て最寄り駅で別れた。

 ひとりになった途端、どっと疲れが押し寄せてきて、吊革につかまりながら目を閉じる。

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