愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中

「いえ、知隼さんはもう休んでください。食事は自分でなんとかしますから」
「お前が無理して動こうとする方が心配で眠れない。俺もさっきまで寝ていたし、明日……もう日付が変わったから今日か。とにかく、俺は休日だから気にするな」

 一度立ち上がった彼だが、ベッドに近づくとそのふちに腰かけ、私の頭にポンと手を置く。

 そのぬくもりが、じんわりと体中に広がっていく。

「これも、一般的な夫婦の……というか、家族のやり取りですか?」
「うん? どういう意味だ?」

 知隼さんが、怪訝そうに眉を寄せる。

「私、誰かに看病されたという経験がないんです。放っておいたら死んでしまう赤ちゃんの頃はきっとお世話をしてもらったんでしょうけれど、物心がついてからは、体調が悪くても基本的にひとりで寝ている思い出しかなくて……」

 熱がある気がして、体温計を脇に差す。音が鳴ってその表示を見た両親は、毎度のようにため息を吐く。

 それから責任を押し付け合うように『私は休めない』『俺も休めない』と主張し合うのだ。

 その姿を見ていたら余計に体調が悪くなりそうで、私はいつも『ひとりで寝ているから大丈夫』と言って、布団をかぶって時間をやり過ごしていた。

 食べ物や飲み物は用意してくれたから、さすがに育児放棄とまでは思っていないけれど……。

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