愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
「……それは心細かったな」
頭の上にあった彼の手が、ふいに顔の横に移動して彼の方へ引き寄せられる。広い胸にこてんと頭を預けると、なんとなく彼の言った意味がわかった。
「そう……だったかもしれません。当時の気持ちはあまり覚えていませんけど」
「別に思い出す必要はない。今はこうして隣に俺がいる。甘えたかったら素直にそうすればいい」
知隼さんの手が私の髪に指を通し、ゆっくりと毛先まで梳く。トクトクと、鼓動が優しいリズムを刻んだ。
「じゃあ、ひとつだけお願いしてもいいですか?」
「ひとつだけでいいのか? 相変わらず欲がないな。なんだ?」
「ヨーグルトが食べたいです。アロエが入った大きいやつ」
こんな時間だし、なにも食べていない割には食欲がなく、のどごしのいいものが食べたかった。
知隼さんはリクエストの品に見当がついたようで、何度か頷いた後で私の頬をすりっと撫でた。
「わかった。すぐに買ってくる」
「ありがとうございます。あの、元気になったら今度は私が知隼さんのためになにかしますからね」
早速部屋を出て行こうとした彼の背中にそう声をかけると、振り向いた彼はなぜか私の元に戻ってきて、私のおでこを軽く指ではじいた。
「俺は別に、お礼やらお返しやらを期待してお前に優しくしてるわけじゃない。もう夫婦なんだからお互いに貸し借りはナシだ」
「知隼さん……」