愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中

 その日から、俺は仕事で彼女に会えば積極的に声をかけ、彼女の素顔を引き出すためにあえて意地の悪い言動を繰り返した。

 当初は先輩である俺に遠慮するそぶりもあったものの、次第に感情をむき出しにして拗ねたり怒ったり、威勢よく言い返してくるようになった。

 彼女との口喧嘩が楽しくて仕方がない俺はとっくに恋を自覚していて、職場で彼女をからかうだけでは段々と物足りなくなってくる。

 ただのケンカ友達のような関係から、もっと先へと進みたい。そう思っていた矢先、上司と出向いた最上さんの店で偶然綺美と出くわした。

 彼女は俺を見るだけでアレルギー反応を起こしたかのごとく嫌な顔をしたが、その日は太陽さんがいてくれたおかげか幾分穏やかな空気が流れ、交わされる会話の中で彼女の家庭環境や恋愛観を聞いた。

 あまり周囲に頼らないタイプだとは以前からわかっていたものの、彼女がそうなった理由を知り、納得する。

 単に自立心の強い女性というわけではなく、人に頼ったり甘えたりすることを我慢しなくてはならない子ども時代を過ごし、そのまま大人になってしまったようだ。

 俺だったら、存分に甘やかしてやるのに……。

 一方的にそう思ったところで、今の彼女には届かない。

 アプローチの方法に悩んだ俺は、酔った彼女を家まで送り、無理やり〝貸し〟を作った。

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