愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
恋愛にあまり興味のない彼女の気持ちをどうやって自分の方へ向かせるか――。
俺は片想いの状況を存分に楽しみつつ、綺美を手に入れるための策をあれこれ考える。しかし、そう吞気にしてもいられなかった。
彼女は妙な男につきまとわれているようで、マンションの前で待ち伏せをされた現場に出くわしたのだ。
男は俺がにらみを利かせただけで逃げて行ったが、また別の日には、彼女をコンビニまで追いかけて怖がらせた。
その時は俺がたまたま電話したから彼女も助けを求めてくれたものの、もしもタイミングが遅かったらどうなっていたかわからない。
綺美を追い回す男が許せないのはもちろんだが、同時に、彼女には強引にでもその身を守る存在が必要だろうと思う。そしてもちろん、その役割を他の誰かに渡すつもりはない。
だから、彼女を俺の部屋に初めて泊まらせたあの日、こう提案したのだ。
『お前、俺と結婚しないか?』
俺としては好きな相手に結婚を申し込んだだけなのだが、これまでの言動が裏目に出ていたらしく、なにか別の目的があるのではと綺美は俺を疑った。
ここで想いを告げたところで信じてもらえないだろうし、お互いに利害のあるビジネス的な結婚であると思わせておいた方が彼女には受け入れてもらえそうな気がした。
そこで、俺はとっさに姉の美空を悪役に仕立て上げる。