愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
姉が『知隼も彼女くらい作ればいいのに』とうるさいのは本当だったが、何度も出会いの場をセッティングされるというのは、事実を少々誇張している。
姉の知り合いの女性と、二度ほど食事をさせられたくらいだ。その後は俺があまりにも女性に興味を示さないので、姉の方もあきらめて誘ってこなくなっていたから。
しかし、たとえビジネス的な結婚だとしても、綺美はすぐに首を縦に振らなかった。
しびれを切らした俺は、ハワイ行きのフライトで彼女とシフトが一緒になると知り、多少強引な方法に出ることにした。
わざとらしくペアのマグカップやTシャツを買い、指輪を選び、彼女の逃げ道を塞ぐように、『お前を守りたい気持ちは本心だ』と伝える。
その真剣さが彼女にも多少伝わったのだろうか。
彼女は俺との結婚を承諾するとともに、ホテルへ向かうタクシーの車内で、俺への評価がマイナスからゼロになったこと、具体的には好感度『五』だと説明してくれた。
ここまでやって〝五〟なのか……?
正直なところ軽くショックだったが、負けず嫌いの彼女のことだ。おそらくわざと少なく伝えたに違いない。
彼女の不器用さが無性に愛しくて、日本に戻ったらすぐにでも俺のところに来るようにと伝えた。