愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中

「副操縦士の深澄です。本日はよろしくお願いします」
「ああ、よろしく」

 今日は、初対面のベテラン機長とペアだった。寡黙で落ち着いた雰囲気の、とても信頼できそうな相手である。

 機長にも色々な人がいて、中にはブリーフィングの内容よりも雑談の方が多いという、お喋りなタイプもいる。

 どちらにしろパイロットとしての技術や判断力は副操縦士のそれとは比べ物にならないので、彼らの一挙一刀足に注意を払い、そこから得られる知識や技術、彼らの思考パターンなどを吸収しようと俺はいつも必死だ。

「福岡空港は朝から混雑ですね。ディレイ(遅延)がすでにいくつか出ています」
「管制から上空待機の指示があるかもな。燃料、追加しておこう」

 フライトに関する大量の情報をまとめて共有し、飛行プランを固めていく。

 ブリーフィングを終えると駐機場へ移動し、今度は機長が整備士と情報共有する。俺は外に出て、機体に不具合がないかを、目視で確認した。

 客室乗務員とのブリーフィングも終え、予定していた出発時間になる。

 幾度となく繰り返している手順を踏み、機体は福岡空港へ向かって離陸した。

< 128 / 150 >

この作品をシェア

pagetop