愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
独占される甘い夜
知隼さんと暮らすようになってから、およそ一カ月が経過した。
今日は仕事が終わる時間が近いので、一緒に帰ろうと空港内のカフェで彼と待ち合わせをしている。
そのことを同じシフトだった梨沙子に話したら、『深澄さんが来るまで私が綺美を守ってあげる』と冗談交じりに言ってくれた。
私もちょうど彼女とおしゃべりがしたかったので、窓際のカウンター席で夜の駐機場を眺めながらコーヒーを飲み、最近ちょっと気になっていることについて彼女に相談する。
「なるほど。キス止まりね……」
「別に好きだとも言われてないんだから、その先を期待するのもおかしいんだけど……だったら、キスだって必要ないじゃない? どっちつかずの関係がなんか苦しくて……」
それは私の本音だった。
家での知隼さんは甘い言動が多いし距離も近く、ハグや手繋ぎ、軽いキスなら躊躇せずにしてくる。
濃厚なキスも少し前に解禁されたけれど、そこでどんなに雰囲気が高まったとしても、彼はその先へは絶対に進まないのだ。
それと、気になることはもうひとつ。
知隼さんは思わせぶりな言動が多いわりに、決定的なひと言だけを避けている感じがする。