愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
口では本物の夫婦になろうと言っていても、現実的には愛がないと無理なのではないだろうか。
そうやって勝手に彼の心境を想像するたび、私は逆に自覚させられている。
彼が言ってくれない『好き』のふた文字が、私の心の中で破裂しそうに膨らんで、抑えるのが難しくなっていることを――。
「もしかしたら、私の彼氏と同じパターンかも。彼氏曰く、手を出さないのは〝大切にしてる証拠〟らしいよ」
「大切にしてる証拠……」
両手で包むように持ったマグカップに、私の呟きが落ちる。
梨沙子は、以前浮気を疑っていた彼氏と最近仲直りしたばかり。
同棲中にもかかわらず、夜の営みがめっきり減っていたために彼氏を疑っていた梨沙子だが、思い切って問いただしてみたところ、彼氏はこう言ったらしい。
『梨沙子が毎日疲れた顔をしていたから、仕事の足を引っ張っちゃいけないと思って……』
よくよく考えてみると、彼氏は毎晩梨沙子の髪をドライヤーで乾かしてくれたり、立ち仕事でむくんだ脚をマッサージしてくれたりしていた。
しかし、梨沙子としてはそういうスキンシップがあるにもかかわらず、いざベッドに入ると手を出されないことがもどかしかったそうだ。
お互いに本心を打ち明け、梨沙子に手を出さなかったのは〝大切にしてる証拠〟だと彼氏が語った後、それはそれは甘い夜を過ごして無事に仲直りを果たした――ということらしい。