愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
「じゃあ、さっさと家に帰ってゆっくりしよう。夕飯は俺が作るから」
「私も手伝いますよ。座っているだけなのも退屈なので」
「わかった。無理だけはするなよ」
こうして毎日仕事ができて、隣には大好きな夫がいて、お腹には彼の子どももいる。
自分が親になるなんて昔だったら考えられなかったけれど、知隼さんがいたから、彼に愛してもらえたから、両手に抱えきれないほどの幸せを知った。
「知隼さん」
「ん?」
「大好き」
「……知ってる」
表情を変えることなく平然と言ってのけた知隼さんだけれど、信号待ちで止まった瞬間、こらえきれなくなったように身を乗り出し、私の唇を彼のそれで塞ぐ。
甘い甘い、夫婦のキス。これも、彼が教えてくれた幸せだ。
愛しそうな目をした彼の向こうに、羽田を飛び立ったばかりの真っ白な飛行機が見える。
無事に赤ちゃんを産んで、彼と一緒にまた空を飛べる日が来ますように……。
すっかり欲張りになった私の願いを乗せた飛行機は、夕暮れの空の中をぐんぐん高く昇っていった。
Fin.


