愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中

「最上さーん、おかわり」
「はいはい。結構目が据わってきたけど平気?」
「ぜーんぜん大丈夫です。私の目つきが悪いのは、隣のお客さんのせいなんで」

 本人の顔を見ずに、深澄さんを指さす。隣の彼がやや乱暴な音を立て、グラスをカウンターに置いた。

「お前みたいな奴を当たり屋っていうんだ。だいたい、俺はいつも親切で優しいだろうが」
「どこがですか! 親切で優しいっていうのは、露木さんみたいな人のことを言うんです」
「露木さんの人間性が優れているのは間違いないが、そういうわかりやすい優しさしか見えないんだとしたら、お前は正真正銘の馬鹿だ」

 ため息交じりにとんだ暴言を吐く深澄さん。いよいよ頭に血がのぼった私は即座に反論しようとするものの、酔っているせいで頭がうまく回らない。

「ば……馬鹿って言う方が馬鹿なんですよっ」
「小学生か」

 鼻で笑われ、悔しさで顔が熱くなる。も~! この男、ほんっとうに腹立つ!

 怒り心頭のところに最上さんが新しいお酒を置いたので、やけくそになって一気に喉に流し込む。

 喉から体中に熱い感覚が伝わるような気がして、頭の中がふわふわしてくる。

「……深澄さん、きらい」

 酔いに任せて、本音が口に出た。

 嫌いと言われた当の本人は、飄々とした顔で私と同じお酒を飲んでいる。

「知ってる」
「今まで出会った男の人の中で、一番……きらいです」

 私はそう続けたけれど、深澄さんはまったくダメージを受けていないのだろう。口元に楽しげな笑みを浮かべると、顔を近づけてきて私の瞳を覗いた。

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