愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
「偶然同じお店で飲んで、家まで送ってもらっただけ。それで別れ際、部屋に着いたら連絡しろって偉そうに命令されたのよ。万が一私になにかあった場合自分が容疑者になるからって、さも迷惑そうに」
「ふうん……。なーんか、言葉と行動が一致しないね」
肉の脂でてらてらと光る指をナプキンで拭い、梨沙子が腕組みをする。
「一致しないって、なにが?」
「だって、迷惑なら関わらなきゃいいのに、わざわざ送ってくれたんでしょ? それに、部屋に着いたら連絡しろだなんて、超過保護な溺愛彼氏か束縛系のヤンデレ彼氏の発想じゃない」
梨沙子の目がらんらんと輝いている。深澄さんに意外な一面があるのを期待しているようだ。
「さすがにヤンデレはあり得ないと思うけど……そういえばあの人、好きな人がいるみたいだったよ。片想い中だって言ってた」
「えっ? そんな突っ込んだ話までしたの? 誰? 会社の人?」
「それは教えてくれなかったけど」
「もうっ。肝心なところで……」
梨沙子が心の底から残念そうに顔をしかめる。
私はクスクス笑って卓上のタブレットを操作し、二杯目のワインを選択する。