愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
「私、この赤ワイン頼むけど梨沙子は?」
「あ、同じのよろしく。それにしても、深澄さんの好きな人かー……。私はあまり話したことないけど、綺美の話を聞く限り絶対意地悪だしどSでしょう? 愛される方も大変だね。それとも、恋人の前では甘い顔をするタイプかな。それもメロいな……」
……出た、メロい。私には、彼にそんな要素があるとはまったく思えないのだけれど。
タブレットを操作して注文を済ませると、すぐにワインが届き、梨沙子と二回目の乾杯をした。
「私が思うに、あの人は絶対に底意地が悪いタイプだから、恋人は苦労するに一票」
「やっぱそっちの可能性が高いかぁ。でもどっちにしろ、セックス上手そうだよねぇ」
なにげなく梨沙子が呟いた言葉に、私はゲホッと咳き込んだ。
どうして急にそんな話になるのか。
「……梨沙子。いくらリカレントが終わって解放的になってるからって、変なこと口走らない」
「えー、変なことじゃないよ。私、夜の生活がうまくいかないせいで、今彼氏と別れる瀬戸際なんだもん……」
「ちょっと待って。別れる瀬戸際? 深澄さんの話よりよっぽど一大事じゃないの!」
梨沙子には同棲中の彼氏がおり、時折彼女を空港まで車で送ってくる姿を見たことがあった。
確か彼女より年下ですらっとしていて、優しげな顔立ちのイケメンだったと記憶している。