愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
身を守る方法=結婚?

「七里さん、今夜こそは一緒に合コンどう? 今回、スペックじゃなく内面重視の人選なの! 看護師と保育士と介護福祉士!」

 リカレントを終えた翌週の仕事終わり。

 更衣室で以前私を合コンに誘ってきた先輩から鼻息荒く詰め寄られ、私は苦笑いを浮かべた。

 内面重視と言いながら、結局職業のイメージで選んでいるだけでは……?

 という心の声はしまっておき、合コンに行けない正当な理由を告げる。

「すみません、今夜は約束があって」
「なんだ~そっか。もしかして彼氏?」
「い、いえ。ただの同僚……です」

 今頃、空港の駐車場で私を待っているであろう人物の顔を思い浮かべ、彼は間違いなく同僚だよね、うん、と自分に言い聞かせる。

 むしろ、それ以外になにがあるというの。

 残念そうにする先輩に「お先に失礼します」と告げ、私は更衣室を出たところで約束の相手にメッセージを打った。

【着替え終わったので、これから向かいます】
【了解】

 間髪を容れずに返事をよこしたのは、ハヤブサアイコンの深澄さん。

 私としては不本意なのだけれど、今日はこれから彼と会う予定になっている。

『フィレンツェ土産を渡したい』と、半ば強引に約束を取り付けられたからだ。

< 39 / 60 >

この作品をシェア

pagetop