愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
確かにお土産はなにがいいかと聞かれたけれど、私はちゃんと答えなかったし、まさか本気だったなんて……。
なんの気まぐれだろうと訝しく思いつつも、彼には借りがあるので断りづらく、結局丸め込まれて今日を迎えてしまった。
自社ビルから空港ターミナルの方へ急ぎめに移動し、立体駐車場へ繋がる連絡通路を目指す。
すると、通路の手前にある自動ドアの前に、深澄さんの長身が立っていた。私が遅くて待ちくたびれたのだろうか。
黒のジップジャケットにシンプルな白Tシャツ、ボトムはセンタープレス入りのスラックスというモノトーンの私服スタイル。
いつもの制服姿とはまた違う大人っぽさに一瞬見とれてしまい、気づかれない程度に小さく首を振る。
「お、お待たせしてすみません。お車で待っててもらってもよかったんですが……」
「それだと、お前が車を探すのに苦労するだろ。一緒に行った方が早い」
「……まぁ、そうですけど」
「行くぞ。荷物を貸せ」
当然のように手を差し出され、引いていたキャリーケースの持ち手を彼に預ける。深澄さんはそれを引いて、さっさと連絡通路の方へ歩き出した。
まったく、紳士なんだか俺様なんだか……。
私も少し遅れて歩き出しながら、背の高い彼の後頭部に恨みがましい視線を送る。
すると彼が振り向き、私に歩調を合わせながら言った。
「相変わらず、男に縁はないのか?」
あまりに無遠慮な質問に、私はしかめっ面をして彼を見た。