愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
私が答えに詰まると、彼がぴたりと足を止め、身を屈めて私の表情を覗き込んできた。それから意味深に口角を上げる。
「意地を張って嘘をつくからそうなる。行きたくないなら最初からそう言え」
あっさり本心を見透かされ、頬がかぁっと熱を持つ。
「わ、わかってるなら『送って行こうか』なんて言わないでください……!」
「いっそ俺もその会場に行って、離れた席から居心地悪そうにするお前を観察するのも面白そうだと思っただけだ」
「趣味が悪すぎます!」
言い合いを続けながら再び歩き出し、駐車場へと移動する。
角のエリアに停められていた深澄さんの車は、ダークブルーのSUV。彼は私に助手席を勧め、トランクにキャリーケースを載せる。
やがて運転席に乗り込んできた彼は、細長い紙袋を持っていた。シートベルトを締める前に、それを私の膝の上にポンと置く。
袋の形状とずっしりとした重さから、なんとなく中身に想像がついた。
「お酒……?」
「そう。俺の独断と偏見で選んだから、気に入らなかったら捨てろ」
「そ、それはもったいないですよ。開けてみていいですか?」
「どうぞ」
私が中の箱を取り出していると、深澄さんが頭上のスイッチで車内灯をつけてくれた。
蓋を開けてボトルの上部が見えた瞬間、瓶に満たされているのが赤みを帯びたお酒だとわかる。