愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中

「送っていただいてありがとうございました。それに、お土産も」
「ああ。くれぐれも飲みすぎるなよ」
「わかってます」

 最後までひと言多いんだから、と思いながら車を降りる。そしてごく自然に、エントランスの自動ドアに向かおうとした時だった。

「七里」

 背後から深澄さんの声に呼ばれ、ドアの前で振り返る。すると、彼はなぜか車から下りてきて、唐突に私の腕を掴んだ。

「な、なんですか?」
「……いいから大人しくしてろ」

 真剣な顔で言った彼は、そのままぐっと掴んだ腕を引っ張り、私を自分の胸に引き寄せた。

 されるがまま抱きしめられるような格好になり、私はパニックになる。深澄さんからは、今日も甘くていい香りがする。

「あの……」
「怪しい男が公園の方からお前を見てた。……いや、見てる。今も」
「えっ……?」

 警戒を含んだ声で囁かれ、胸がひやりとする。

 深澄さんの緊迫した様子から察するに、いつものからかいや意地悪ではなさそうだ。

「ど、どんな人ですか?」
「暗くてよく見えないが……中背中肉の男に見える。知り合いの可能性もあるが、心当たりは?」
「な、ないです。兄弟もいませんし、ご存じの通り男性とは縁がありませんので」
「……つまり、正真正銘の不審者ってことか」

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