愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
「……慎重になっていたのが仇になったか」
独り言のように、深澄さんが呟く。
彼の形のよい眉は中央に寄り、切れ長の目がさらに鋭く細められていた。
「深澄さん……?」
遠慮がちに呼びかけると、彼はハッとしたように私を見る。
「お前は大丈夫か? 警察に相談に行くなら同行する」
「い、いえ。そこまでしていただかなくて大丈夫です。マンションに入ってしまえば安全なはずですし」
「……そうか。今日のところは帰るが、またなにかあったら相談しろ」
「は、はい」
相談しろというのは社交辞令だろうけれど、とりあえず頷く。
でも、本当にまたなにかあったらどうしよう……。
私自身は不審な男性の姿を見ていないものの、先日夜道で後をつけられている感覚がしたことを思い出し、ぞくっとする。
引っ越しを視野に入れた方がいいのだろうか。それか、一時的に誰かの家に避難をさせてもらうとか……。
そう思ったが、私にはこんな時に帰れる実家もないし、言うまでもなく恋人もいないし、トラブルの内容的に女友達を頼るのは二次被害が心配だ。