愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
「へえ……スタンガンは自宅に置いとくだけなら合法なんだ。携帯する場合は注意が必要……なるほど」
棚に置かれた説明書きブツブツ読みながら、自分に合いそうな商品を吟味する。護身用のグッズはネットでも買えるけれど、やはりサイズ感や色は実物で確かめたい。
「さすまた……はさすがにいらないか」
でも、いざって時には役に立ちそう。相手と距離を取りつつ威嚇できるんだもんね……。
壁に立てかけるように陳列されているそれを手に取り、Y字に曲がった先端をしげしげと眺めていたその時。
「……七里さん?」
聞き覚えのある声に名前を呼ばれ、振り返る。
休日らしい私服姿でそこに立っていたのは、スカイイーストの頼れる機長、露木さんだ。
私の手にさすまたが握られているのに気づいた彼は、ぎょっとした顔で両手を上げ、一歩後退する。
「ごめん。声をかけちゃまずかった……かな?」
「い、いえいえ! これ、たまたま手に取っていただけですから」
慌ててさすまたを陳列棚に戻すと、露木さんもホッとしたように両手を下ろす。
「あの、露木さんがなぜこのお店に?」
「このところ、うちのマンション周辺で強盗が出たらしくてね。一応警備会社のホームセキュリティも導入してるけど、自分たちでも対策できることがあればと思って」
「なるほど。ご家族の身になにかあったら大変ですもんね」