愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中

 どうしよう……。防犯ブザーは通勤用のバッグにつけたままだから、今の私は丸腰だ。

 私は目的地を近い方のコンビニに変更し、思い切って駆け出す。

 すると、影のように追って来る足音も同じように速くなったので、やはり追われているのだと確信した。怖さで足がもつれそうになるが、必死でコンビニ周辺の明かりを目指す。

 ようやく店の近くまで来ると多少は人の気配があって、ホッとする。

 私は迷わず店内に入り、窓のそばから外を見る。乱れた呼吸を整えながら様子を窺っていると、黒いフードをかぶった人物が店の前に駆けつけて辺りをキョロキョロする。

 私はひゅっと息をのみ、その人物の視界から逃れるように慌てて棚の反対側へ移動した。

 時間が時間なのでコンビニ内にもそれほど人気はなく、安心が徐々に薄れていく。

 ――と、その時、手に持っていたスマホが短く震えた。

 こんな状況なので過剰にぎくりとしてしまうが、届いていたのは深澄さんからのメッセージだ。

【お疲れ。その後、マンション周辺に変な奴は現れてないか?】

 タイムリーな話題を振られ、心細かった気持ちがふっと緩む。

 だからといって【今、怪しい人がすぐそばに】なんてリアルタイムで伝えたら、彼に心配と迷惑をかけてしまうだけだよね……。

 返信に悩んでいると、彼のメッセージが追加される。珍しく長文だ。

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