愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
「ちょっと……! さっきの話、聞いてました? これはあなたへのお礼なんですから、払ってもらったら意味ないじゃないですか!」
「気持ちはありがたいが、ここに来たのは俺の意思だ。わざわざお礼してもらう必要はない」
「いつもは借りがどうとか言って脅してくるくせに?」
「それはそれ、これはこれだ」
彼は煙に巻くようにそう言って、結局三千円ぶんくらいの食料をカードで支払い、パンパンのレジ袋も私に代わって持ってくれる。
そして店を出ると同時に、彼が突然私の肩に腕を回し、ギュッと身を寄せてきた。不審者を警戒しているのだろう。
「……街灯にもたれてスマホを弄ってる、フードの男か?」
「そ、そうです」
私は怖くて一瞬しか見ることができなかったが、相手がこちらを凝視しているのがわかった。
深澄さんが来てくれなければどうなっていたんだろう。想像しただけでぞっとする。
車に移動してコンビニの前を離れると、強張っていた体からようやく力が抜けた。
「ああ、怖かった……」
無意識に心の声を言葉にしていた。不覚にも、だいぶ弱っているらしい。