愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
建物の裏手にある屋根付きの駐車場に車を停め、綺麗に整えられた植栽と足元に並んだライトに導かれるようにして、正面に回る。
御影石の落ち着いた外壁に木目調のタイルが組み合わさったエントランスはホテルさながらの高級感で、深澄さんの大きな背中について歩きながら、キョロキョロと辺りを見回す。
私の住んでいるマンションとエリアこそ同じだが、家賃はきっと桁違いだろう。エレベーターホールに到着し、私はちらりと彼を見上げる。視線に気づいた彼が、涼やかな切れ長の目で私を見下ろした。
「あのう……言われるがまま来てしまいましたが、本当にご迷惑じゃないですか?」
「そんなに念を押すということは、うちでカラオケでもするつもりか?」
「ま、まさか。極力気配を殺すつもりではありますが」
「それはそれで心配になるだろ。普通に過ごせ、普通に」
「はぁ……」
曖昧に返事をした直後、目の前でエレベーターの扉が開く。深澄さんの家は最上階の四階だそうだ。
彼はあまり家にいることの少ないパイロットだし、普段のイメージからも、なんとなく生活感のなさそうな部屋に住んでいる気がする。