愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
「あの……前にお話ししていた、好きな人とはどうなったんですか? もしかして、失恋――」
そこまで言いかけたところで、頭の上に軽いチョップが落ちてくる。痛くはないがムッとして、恨めしげに彼を睨む。
「それはお前に関係のない話だ」
やや機嫌を損ねた彼の様子を見て、やっぱり失恋したんだ……と確信する。
最近私に優しくしてくれるのも、喧嘩をする元気がないだけなのかもしれない。
恋に破れたばかりなのにお姉さんからは結婚を急かされ、苦肉の策で私との結婚を思いついたんだとしたら……なんか、切ない。
「そんなに結婚を急いで後悔しませんか……?」
私は深澄さんを心から思いやって、お節介だと思いつつもそう助言する。
しかし、彼はけろっとした様子で笑った。
「ああ、しない。前々から七里とは気が合うと思っていたんだ。大人になってから言いたいことを言い合える相手は貴重だし、お前とは酒の趣味も似てる」
つまり、気を遣わないで済む相手、という観点で選ばれたらしい。
私は彼と気が合うとは思っていないどころか、むしろ水と油のような気がしているのだけれど……。