愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中

「俺は別に、毎日お前をからかおうとか虐めようとか思って結婚を持ちかけたわけじゃない。お前を守りたいという気持ちは本心だ」
「え……?」

 彼がまじめなトーンで話すのは珍しいので、どう反応したらいいのかわからない。

「それと、希望は全部叶えてやる、っていうのもな」

 最後に微笑んだ彼の表情があまりに優しげで、いつもならすぐに投げ返せるかわいげのない言葉たちが声にならず、喉のところで詰まってしまう。

 しばらくなにも言えないまま気まずい時間を過ごしていると、深澄さんがふっと苦笑した。

「腹でも減ったか?」
「そ、そうみたいです。変な時間に起きて、ホテルでアサイーボウルを食べた後は、あのタピオカドリンクしかお腹に入れてなかったので……」

 自分の心境をうまく説明できる自信はなかったので、彼の話に乗っかってごまかす。

 次の瞬間、頭の上にポンと大きな手の温もりを感じた。

「今夜はよく食べて寝て、明日のフライト前には復活しろよ。お前はクルーの中でも、とくに重要な戦力なんだからな」

 深澄さんが発破をかけるようにそう言った瞬間、私の胸が一度大きく揺れた。

 ハッキリとした理由はわからない、でも、彼が私の仕事に対してそんな風に言ってくれたのが、初めてだったからではないだろうか。

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