愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
男性としての深澄さんはかなりくせ者だと思っているけれど、パイロットとしては優秀な人。
そんな彼に叱責された一年目の訓練も、自分ではうまくできたと思っていたのに『半人前』と烙印を押された二年目の訓練も、彼への反発心を前面に出すことでモチベーションを保っていたけれど……本当は、理想に届かない自分への悔しさをごまかしたかっただけ。
CAとパイロットでは立場が違うとはいえ、私も早く彼のように、確かな実力と経験を持ったクルーの一員になりたかった。
憎たらしいこのパイロットと、対等な存在になりたかった。
だからこそ、今……『重要な戦力』と言ってもらえただけで、こんなに胸が熱くなるのだろう。
いつまでも彼に反発している理由なんて、本当はないのかもしれない。
だからといって、もちろん急に彼を好きになるわけではないけれど……。
「深澄さん」
私はそっと、彼の名前を呼んだ。これまでだって何度も呼びかけて来たのに、憎しみをこめる必要がなくなったというだけで妙に照れくさい。
「ん?」
「前に、大嫌いと言ってしまったこと……謝ります」
「急にどうした?」
深澄さんが怪訝そうに片方の眉を上げる。
自分の発言が原因で、私の心境に変化が起きたとは夢にも思っていないみたいだ。あえて説明するのも恥ずかしくて、私は結局いつもの態度に戻ってしまう。
「いえ、別にただ……好感度がマイナスからゼロになったというだけです」
「ゼロって……お前な。もうちょっとくらいあるだろ」
深澄さんはそう言いつつも、おかしそうにクスクス笑っている。穏やかに細められた彼の目を見ていると、胸がソワソワした。