愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
到着後のブリーフィングと事務処理を終えると、同じシフトだったCAたちと更衣室へ移動する。
ロッカーの扉に備え付けられた鏡の前で、シニヨンにしていたセミロングの髪は簡単なポニーテールにアレンジし、やや崩れていたメイクを直した。
あまり特徴のないさっぱりした顔なので、仕事の日はメイクをハッキリめにしている。
制服を脱ぎ、センタープレスの入ったベージュのワイドパンツにとろみ素材の白ブラウスを合わせた通勤スタイルに戻ると、ようやく肩の力が抜ける。
このタイミングで緊張から解放されるのは他のCAも同じらしく、ロッカーの向こう側から楽しそうな会話が聞こえてくる。
話しているのは、私より数年入社が早い先輩ふたり組だ。
「今夜の合コンで、私、本気で結婚相手候補を探すわ。なんたって、医者と弁護士と商社マンが一堂に会するんだから」
「職業もだけど、ビジュも結構大事だよね。私たち、同じ会社に深澄さんとか露木さんがいるせいで、カッコいいって思える男性のハードルが上がってるじゃん?」
今日のフライトを担当していた機長の露木さん。そして、副操縦士の深澄さんは、こういった話題の時、真っ先に名前が挙がる。
ふたりとも顔の造形が整っているうえ高身長で、パイロットとしても優秀。CAやグランドスタッフをはじめとする空港勤務の女性たちの間では、ふたり合わせて〝スカイイーストの至宝〟だなんて呼ばれているくらいだ。