愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
私はしばらく唇を噛んで黙り、やがて片手をパーにして彼に見せる。
「で、では、五で」
「大躍進だな」
ひとしきり笑った彼は、やがて窓の外にホテルの建物が見えてくると、真面目な表情になってこちらを向いた。
「最近、マンションの周りに変な奴はいないか?」
「はい。大丈夫です」
「なにもないならそれが一番いいが、お前を油断させるために鳴りを潜めているだけという可能性もある。ああいう輩は執念深いことが多いから、日本に戻ったらすぐにでも俺のところへ来い」
彼の鋭い眼差しには有無を言わせない迫力があった。
先ほど『お前を守りたいという気持ちは本心だ』と言ってくれたのも、口先だけではないのかもしれない。
……深澄さんを、信じよう。
私は彼にぺこりと頭を下げて言った。
「不束者ですが、よろしくお願いします」
「こちらこそ」
憎まれ口も皮肉もなく、穏やかな声音で返事をした深澄さん。
顔を上げると美しい微笑みを浮かべた彼と目が合い、胸がトクンと鳴った。