愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中

「わかりました。ありがとうございます」
「夕食はデリバリーを頼もうと思っているがそれでいいか? 嫌いなものがあれば先に言ってくれ」
「嫌いなものはとくに……。あの、私はこうして避難場所を提供してもらっている立場ですし、食事を頼むなら私のスマホから注文させてください」

 スマホを片手に彼の方へ歩み寄ると、深澄さんはこちらに伸ばした手で私のスマホを押し返した。

「俺たちはこれから夫婦になるんだから気を遣うな。今後も食事代に限らず、生活にかかる費用をお前に請求するつもりはない」
「えっ。でも、共働きなのに不公平では……? いくらあなたの方が稼いでいるとはいえ」
「それは相手の考え方次第だろ。俺はまったく不公平だとは思ってないから問題ない。お前の稼ぎは自分とサボテンの世話に使え」

 知隼さんはそれだけ言い残すと、自分のスマホを操作しながら部屋を後にする。

 以前はあれほど貸し借りにうるさかった彼が急に親切になったので、狐につままれたような気分だ。

 経済的に余裕が持てるのはありがたいものの、夫婦であってもそんなに相手に頼っていいものなのか、機能不全に陥っていた家庭で育った私には判断がつかない。

 もし、彼の気が変わって生活費を要求されることがあったら、その時に応じればいいか……。

 とりあえず自分を納得させると、荷物の整理を再開した。

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