愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
「……まったく。毎度ああなんだ。姉の耳に都合の悪いことは聞こえない」
「ご、強引な方だとはなんとなく理解しました。あの、お姉さんのご自宅からここまではどれくらいで?」
「四歳の甥を連れてくること、途中でなにか買って来ることを考えても、一時間と少しくらいで着いてしまうと思う。……いっそ居留守でも使うか?」
心底嫌そうな顔で知隼さんが言うので、私は思わずクスッと笑ってしまった。知隼さんが怪訝そうに眉を引き上げる。
「なにがおかしいんだ?」
「すみません。知隼さんがすっかり弟の顔をしているので」
私とささいな言い合いをする時とはまた違う、〝姉に逆らえない弟感〟がなんだかかわいらしかった。
「そう見えるなら、大人げない姉のせいだ。……と、今はムキになっている場合じゃないな。俺は軽く部屋を片付けて姉たちを迎える準備をするから、綺美は自分の支度を」
「わかりました。早めに済ませてお手伝いしますね」
突然美空さんと対面することになり少し焦ったけれど、太陽さんの妻でもある彼女のことは、前々から興味があったのだ。話をするのが楽しみでもある。
身支度を済ませて家の中を軽く片付けていると、あっという間に美空さんと快晴くんがやってきた。
知隼さんと共に玄関でふたりを出迎える。