この縁談、謹んでお断りいたします〜身代わりお見合いのはずが、冷徹御曹司の運命の花嫁になりました
 「もちろん! 作戦会議だね。なんかワクワクする~」

 ぱっと顔を輝かせた愛理に、帆奈美は思わず眉を寄せた。

 「こらこら。ワクワクするところじゃないでしょう」
 「あ、ごめんごめん。でもほら、絶対成功させなきゃって思うと燃えてきちゃって」

 てへっと舌を出して笑う姿は、まるで悪びれていない。

 本当にこの子は――。
 呆れ半分、苦笑半分でため息をつく。

 きっと愛理にとっては人生の一大事であると同時に、帆奈美に任せたことでどこか安心しているのだろう。
 信頼されている証だと思えば悪い気はしない。

 「目的はあくまで相手から断られることよね? 失礼になりすぎてもダメだし、あとで問題になるようなことも避けないと」
 「うんうん」
 「ちゃんと〝結婚したくない女性〟って思わせるのが大事なの」
 「なるほど……!」

 愛理が感心したように頷く。
 その素直さに一抹の不安を覚えながら、帆奈美は食べ終えた皿をテーブルの端に寄せ、バッグから手帳とボールペンを取り出した。

 「えっと、〝確実に振られるための行動リスト〟と」
 「わぁ、タイトルが本気」
 「本気だから」

 こほんと咳払いして、帆奈美はひとつ目を書き込んだ。
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