この縁談、謹んでお断りいたします〜身代わりお見合いのはずが、冷徹御曹司の運命の花嫁になりました

 テーブルを挟んで向かい合う帆奈美と宏臣の前に、フルーツパフェとコーヒーが置かれる。メニューに書いてあった通りパイナップルやメロンがふんだんにあしらわれた、目にも鮮やかなパフェだ。

 (想像していたより大きい……。でも、これでいいの)

 愛理と考えた、振られるためのリストのひとつ目が〝空気を読まない注文をする〟だったのだ。
 宏臣も同じように思ったらしく、わずかに視線を落としてから、すぐに帆奈美へと戻した。

 「……お好きなんですね、甘いもの」

 穏やかな声音だが、目の奥に呆れが浮かんでいるのがわかる。

 「はい、大好きです」

 にっこりと即答する。

 「こういう場では控えたほうがいいんでしょうけど、好きなものを我慢してまで良く思われたいとはあまり考えないんです」

 わざとらしくスプーンを手に取りながら続けた。愛理と立てたリストのふたつ目、〝遠慮なく本音を言う〟である。
 宏臣はコーヒーカップに口をつけかけて、ふと動きを止めた。

 「それは結婚においても、ですか?」
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