この縁談、謹んでお断りいたします〜身代わりお見合いのはずが、冷徹御曹司の運命の花嫁になりました
 試すような問いだ。

 (きたきた)

 帆奈美は内心でガッツポーズをする。

 「そうですね。正直に言うと、今すぐ結婚したいとは思っていません」

 パフェの一番上に乗ったメロンをすくいながら、あっさりと言いきる。

 「仕事も楽しいですし、家に入るとか誰かの家に合わせるとか……ちょっと想像がつかなくて」

 リストその三〝家に縛られるのは苦手アピール〟を繰り出した。
 これはさすがにアウトだろう。なにしろ宏臣の父親は日本を代表する大企業のトップ。宏臣はその後継者であり、格式の高い家柄だ。帆奈美は、その家風に合わせられないと言っているのだから。妻として落伍者だろう。

 宏臣はカップを置き、指を軽く組んだ。

 「なるほど」

 声は変わらず穏やかながらも、真っすぐな視線が飛んできた。まるで面接官に値踏みされているような気分になり、帆奈美は一瞬だけたじろぐ。

 (だ、大丈夫。想定内)

 「東城さんは? きっとお忙しいですよね。会社とかご実家とか」
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