この縁談、謹んでお断りいたします〜身代わりお見合いのはずが、冷徹御曹司の運命の花嫁になりました
彼が勧めるものを注文するのが無難なのだろう。でも、それではダメなのだ。コーヒーからはじまり、紅茶やソフトドリンクとメニューが続く中、最後にあったものに目が留まる。
「季節のフルーツパフェで」
「……パフェ?」
彼は軽く目を見開いたあと、訝しむように細めた。嘘だろう、普通こういった場面でそれを頼むか?と言いたげだ。
「はい、パフェです」
もう一度はっきりと答えた。
メニューには写真がなく、パイナップルやメロンといった、初夏にふさわしいフルーツの名前が小さく記載されている。どんなものが出てくるか少なからずワクワクするが、楽しんでいる場合ではない。
軽く首を捻りながらも、宏臣がそばを通ったスタッフを呼び止める。ホットコーヒーとフルーツパフェを注文する彼に、帆奈美は付け加えた。
「生クリーム多めでお願いします」
スタッフはもちろん、宏臣が固まる。目だけ動かしてチラッと帆奈美を見た。信じられないといった目をしているのがわかる。
それでもスタッフは「かしこまりました」と丁寧にお辞儀をして背を向けた。
宏臣は微笑みを浮かべているが、目は笑っていない。きっと、とんでもない女が来てしまったと思っているに違いない。
(なかなか、いい感触。この調子でどんどんいかなきゃ)
帆奈美は、彼が若干引いているのを実感しながら次の一手に考えを巡らせた。なにしろ今日、帆奈美は彼に振られなければならないのだから――。
「季節のフルーツパフェで」
「……パフェ?」
彼は軽く目を見開いたあと、訝しむように細めた。嘘だろう、普通こういった場面でそれを頼むか?と言いたげだ。
「はい、パフェです」
もう一度はっきりと答えた。
メニューには写真がなく、パイナップルやメロンといった、初夏にふさわしいフルーツの名前が小さく記載されている。どんなものが出てくるか少なからずワクワクするが、楽しんでいる場合ではない。
軽く首を捻りながらも、宏臣がそばを通ったスタッフを呼び止める。ホットコーヒーとフルーツパフェを注文する彼に、帆奈美は付け加えた。
「生クリーム多めでお願いします」
スタッフはもちろん、宏臣が固まる。目だけ動かしてチラッと帆奈美を見た。信じられないといった目をしているのがわかる。
それでもスタッフは「かしこまりました」と丁寧にお辞儀をして背を向けた。
宏臣は微笑みを浮かべているが、目は笑っていない。きっと、とんでもない女が来てしまったと思っているに違いない。
(なかなか、いい感触。この調子でどんどんいかなきゃ)
帆奈美は、彼が若干引いているのを実感しながら次の一手に考えを巡らせた。なにしろ今日、帆奈美は彼に振られなければならないのだから――。