この縁談、謹んでお断りいたします〜身代わりお見合いのはずが、冷徹御曹司の運命の花嫁になりました
五つ年の離れたお兄さんもいるが、愛理は大事なひとり娘。いつかはそんな話がくるかもしれないと零していたことがある。それが現実になったようだ。
帆奈美は一般家庭の育ちだが、鼻にかけたところも気取ったところもない愛理とは、大学の授業で席が隣になって親しくなった。育った環境はまるで違うのに、不思議と価値観の芯みたいな部分がよく似ていて、気づけば互いの近況を報告し合うのが習慣になっていた。
「断るのは難しいの? 好きな人がいるって、この際お父さんに打ち明けるとか」
愛理には、大学時代から両親に内緒で付き合っている彼氏がいる。大学一年のときから片想いし続け、四年生のときにようやく実った大事な恋だ。
その彼も帆奈美のように一般家庭の育ち。父親が知ればきっと別れさせられると考えた愛理が、なかなか言い出せずにいるのは帆奈美も知っている。
「無理。ものすごく乗り気なの」
愛理によると、お相手は親会社の御曹司だという。父親にしてみれば、さらなる会社の発展を掴める大きなチャンス。ここでしっかり縁談をまとめておきたいだろう。
「だからお願い! 私の代わりに会って、相手から断られるようにしてほしいの」
気持ちはよくわかる。でも――。
「お見合いなら、私が愛理の身代わりになんてなれなくない?」
帆奈美は一般家庭の育ちだが、鼻にかけたところも気取ったところもない愛理とは、大学の授業で席が隣になって親しくなった。育った環境はまるで違うのに、不思議と価値観の芯みたいな部分がよく似ていて、気づけば互いの近況を報告し合うのが習慣になっていた。
「断るのは難しいの? 好きな人がいるって、この際お父さんに打ち明けるとか」
愛理には、大学時代から両親に内緒で付き合っている彼氏がいる。大学一年のときから片想いし続け、四年生のときにようやく実った大事な恋だ。
その彼も帆奈美のように一般家庭の育ち。父親が知ればきっと別れさせられると考えた愛理が、なかなか言い出せずにいるのは帆奈美も知っている。
「無理。ものすごく乗り気なの」
愛理によると、お相手は親会社の御曹司だという。父親にしてみれば、さらなる会社の発展を掴める大きなチャンス。ここでしっかり縁談をまとめておきたいだろう。
「だからお願い! 私の代わりに会って、相手から断られるようにしてほしいの」
気持ちはよくわかる。でも――。
「お見合いなら、私が愛理の身代わりになんてなれなくない?」